いよいよ酒造りの終盤です。

根知谷は1月から数十年振りといわれる大雪で3mほどの雪に埋もれてしまっています。
そんな中ですが、立春を過ぎて酒造りもいよいよ終盤に差し掛かりました。

『鍛錬』のもろみは留仕込みから7日目ですが、順調に発酵が進んでいます。
プチプチと小さな音がして、泡が弾ける様子は見ていて楽しいものです。 「美味しくなーれ、美味しくなーれ」とつい言葉に出てしまいます。この時期の仄かに香る新酒の香りはとても爽やかで、なんとも言えません。

4月の種まきから始まった酒造りですが、これからお酒になってびん詰めされるまでちょうど1年かかります。
露地育苗で赤くしもやけになりながらも、耐えてきた酒米「越淡麗」が固形から液体に昇華していく様は、魔法をかけられたようです。

長い長い工程ですが、人間は稲や酵母や麹菌のお手伝いをするのが仕事で、その時間の流れはゆるやかです。
ゆっくり、ゆっくり彼らのペースに合わせます。決して焦らず、自然の流れに逆らわず、いかに微生物と仲良く付き合えるかが酒造技能の本質だと考えています。

ゆっくりですが、毎日確実に一歩ずつ進んでいるのが分かります。
今しばらくお待ちいただくと美味しいお酒がお手元に届きます。

渡辺酒造店 発酵タンク群

発酵タンク群

『鍛錬』のもろみ

『鍛錬』のもろみ